iGEM (The international Genetically Engineered Machine competition) は、合成生物学の発展に寄与することを目的に、世界規模で開催される学生コンテストです。大会(年に一度)では、45か国以上350を超える大学の学生チームが一堂に会します。各チームは、自由な発想のもとでテーマを決め、実験を行い、その成果をプレゼンテーション、ポスターセッション、Wiki(Webページ)を通して発表し、独創性・実現性を競い合います。さらに合成生物学が抱える倫理や安全面からのさまざまな問題に対して、社会的活動も行います。
iGEM Kyotoは、学生が責任と自主性に基づき自由に研究活動を行い、iGEMの最優秀賞を目指す京都大学の学生チームです。当チームはこれまで、マイクロプラスチックによる海洋汚染問題や、線虫によるマツ萎凋病問題を解決するプロジェクトに取り組んできました。昨年は、“FLOWEREVER”というテーマで、私たちにとって身近な存在である花の抱える諸問題に取り組みました。例えば、ウイルス感染に対しては葉から抽出した RNA から RT-LAMP 法という手法でウイルス由来の DNA を増幅し、CRISPRCas12aという配列検出システムを用いて、蛍光の有無からウイルス感染の有無を検出する手法を開発しました。