コミュニケーション

秋冬に備え、新型コロナウイルス感染症の
検査センターの能力を倍増
実習前の学生と受け入れ側に安心感。地域医療への貢献も目指す

長崎国際大学

 6月に、医学部や病院を持たない大学としては初めて、新型コロナウイルス感染の有無を診断する検査センター(「NIU疾患検査センター」)を設置した長崎国際大学(佐世保市ハウステンボス町。人間社会、健康管理、薬学の3学部)。11月からは、秋冬の感染再拡大やインフルエンザの流行も視野に、検査能力を倍増する。
同大は学生や教職員、近隣住民の安全・安心、および長崎県の地域医療に貢献すべく、県から2台の検査機器を無償貸与してもらい、衛生検査所の登録も受けて、7月1日から運用を開始した。「感染者を早期発見、隔離し治療することが大事で、感染が疑われる人がすぐに検査できない状況を少しでも解決したかった」と医師でもある安東由喜雄学長。実際、全学科の学生の間には、実習前に検査を受け、感染していないことを証明してから実習に臨めると安心感が広がるとともに、実習先からは好感を持って受け入れられているようだ。
検査方式は、短時間で結果がわかり、コストを抑えられるLAMP法で、唾液を使う。薬学部の隈博幸教授(臨床検査学)ら8人が土・日曜日を除く週5日対応、検査能力は1日5サイクル最大100件との設定で行っている。9月末までの3カ月間で計618人を検査。うち学生が35%、同一法人の短大などの学生が9%、教職員13%で、残りの43%が一般の受検者だった。
同大では8月に、「利休庵診療所」も開設。学長ら医師免許を持つ教員4人が講義の後などに診療も始めた。そして11月からは、県からさらに2台の貸与を受け、1日200人の検査が可能な体制を整え、佐世保を中心とした長崎県北部、佐賀県の一部の住民への対応も視野に入れている。
長崎国際大学は2000年、学校法人九州文化学園と長崎県及び佐世保市の公私協力方式で開設(安部直樹理事長)。「人間尊重を基本理念に、よりよい人間関係とホスピタリティの探求・実現、並びに文化と健康を大切にする社会の建設に貢献する教育・研究」を建学の理念に掲げ、茶道を必修とするユニークな大学として知られる。

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