
~Profile~
日系アメリカ人の父、日本人の母との間にロサンゼルス近郊で生まれる。6月にレドンドユニオン高校を卒業。6歳から北米沖縄県人会の琉球國祭り太鼓の活動に参加し、主要メンバーとして週末は練習に明け暮れる。カリフォルニア州立大学フラトン校は俳優のケビン・コスナーや歌手のグウェン・ステファニーらも通ったことで知られる。
高校のカウンセラーに進路相談
私が志望大学選びを始めたのは、ジュニア(高校3年)の中盤、1月か2月頃でした。ほとんどの同級生がフレッシュマン(1年)やソフォモア(2年)で始めるのに比べ、私のスタートはとても遅かったんです。
大学選びの条件は、ロケーションと学部でした。ロケーションに関しては、自宅から通学できる範囲を希望、そして学部は、キンダーガーテン(小学校1年の前の学年の幼稚園に相当)の教諭を目指しているので、小学校教育に定評のある大学を探しました。
高校にはカウンセラーという、進路相談に乗ってくれる専門家のオフィスがあります。私は何度か担当のカウンセラーのオフィスに相談に行きました。自宅から通えるカリフォルニア州立大学のロングビーチ校とフラトン校について相談した結果、ロングビーチ校の合格基準とされるGPA(学業成績の平均値)に若干足りないので、GPAを押し上げるためにAPクラスを取らなければならないということでした。APというのは、高校で大学レベルの内容が学べる難易度の高いクラスです。でも私は、高校の勉強以外にサルサとヒップホップの部活にも参加していましたし、北米沖縄県人会の太鼓の活動もあったので、APクラスを取得するのは困難だという結論に達しました。
受験した3大学に合格
そこで、同じカリフォルニア州立大学のフラトン校に照準を合わせることにしました。アプリケーションに必要なものはSATまたはACTといった統一学力試験の点数とGPAでした。UC(カリフォルニア大学)の場合は、小論文や推薦状の提出も条件になりますが、カリフォルニア州立大学にはそれらは求められません。また、高校時代にどれだけボランティア活動に参加していたかを示す積算時間も、UCのように重要視されないようです。
私はSATを2回、ACTを1回受験しました。準備は特に塾などに通うことはせず、母が買ってくれた問題集をひたすら解きました。ちなみにSATの科目は英語と数学ですが、ACTはそれらにサイエンスも加わるので準備は大変です。結果的には、2度目のSATのスコアが良かったので、ACTではなくSATのスコアを提出しました。 受験したのは、カリフォルニア州立大学フラトン以外に、ロサンゼルス郊外にあるカリフォルニアポリテクニック大学ポモナ校と、北カリフォルニアのソノマステート大学。実は家から通える大学という条件でしたから、それに当てはまるのはフラトンだけ。他は寮生活になりますが、それでも、先輩から素敵な大学だと聞き、憧れて受験しました。キャンパス見学には行かず、大学のウェブサイトを見て、雰囲気を確認しました。結果的には3校ともに合格することができました。
合格後にキャンパス見学
大学へは家から車で40分くらいかかりますが、近所には今も通っている先輩がいて「すごくいい大学だし、通学は最初のうち楽ではないけれど慣れるから」とアドバイスしてくれました。しかし見学に行ったのは進学を決めてから。非常に広大なキャンパスを目の前にして、「自分は本当にこの大学に通うんだ」と想像するだけで、私には衝撃でした。頭の中に、この大学でのまったく新しい生活が広がりました。
州立大学ではよく地元コミュニティのイベントなども開催されます。私が見学に行った日も、アニメのイベントの当日で、キャンパスにはコスプレ姿の人たちが溢れていました(笑)。
大学では単位をしっかりと取らなければならないと今から気が引き締まる思いです。勉強だけでなく、地元の高校とは違う、いろいろな地域から集まってくる新しい友人と出会うのも楽しみです。大学生活以外でも、6歳で始めた沖縄県人会での太鼓の活動もさらに忙しくなると思います。もともと、キンダーガーテンの先生になりたいと思ったのも、太鼓の活動で小さい子どもたちの指導を任されることが多く、責任と同時にやりがいも感じたからです。そしていつしか、子どもたちの指導を自分の仕事にしたいと思うようになりました。大学に通いながら家庭教師のアルバイトや幼稚園でのインターンもする予定です。 ポモナやソノマなど家から遠い大学にも合格しましたが、私はフラトンにして本当に良かったと思っています。家族や友人をとても大切に思っていて、地元にいたいという気持ちがとても強いからです。