コミュニケーション

実践女子大学が近畿日本ツーリストと連携授業「ユニバーサルツーリズムを学ぶ」

実践女子大学(東京都日野市)は2018年6月22日、同大学渋谷キャンパスにおいて「高齢者・障がい者も楽しめる渋谷観光を作る!」をテーマに、株式会社近畿日本ツーリスト首都圏(東京都新宿区)にプレゼンテーションを行った。
今回のプレゼンテーションに参加する学生たちは、2018年5月から「オープン講座a」として、近畿日本ツーリスト首都圏との連携講座「ユニバーサルツーリズムを学ぶ」を6回受講。その集大成として、高齢者で車いすや杖を使用している人・視覚障がい者ら10~15名を対象に、時期は秋~冬、場所は渋谷で日帰り10時~16時までという設定で「高齢者・障がい者も楽しめる渋谷観光」を企画し、発表する。
全3学部の1~4年次が選択できるこの「ユニバーサルツーリズムを学ぶ」は、40名の募集に対し126名もの履修希望者があった人気科目。担当の文学部国文学科(キャリア教育)深澤晶久教授は2014年5月より、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の「文化・教育委員」に就任し、この講座は2018年度前期のオリンピック・パラリンピック連携講座に位置づけられている。
深澤教授は「近畿日本ツーリストは就職人気企業(※1)であり、本学からも就職を希望している学生が多い。ダイバーシティを意識し、高齢者や障がい者など、あらゆる人々のためのツアーとしてユニバーサルツーリズムを考える今回のテーマはオリンピック・パラリンピックを目前にして、学生たちに意義深い学びとなる」とコメント。
最終プレゼンテーションには、25チームの予選を通過した8チームが参加する。発表後は、近畿日本ツーリスト首都圏千葉支店の橘清志副支店長およびKNT-CTホールディングス株式会社(※2)地域交流部の渕山知弘課長がフィードバックを行う。
実践女子大学は2014年6月、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と大学連携協定を締結。2018年1月に、オリンピック・パラリンピック連携事業推進室を立ち上げるなど、全学的な取り組みを推進している。

※1 近畿日本ツーリストは、マイナビ2018就職人気企業ランキングのホテル・旅行部門において、第3位。
※2 近畿日本ツーリスト首都圏は、KNT‐CTホールディングス株式会社のグループ企業。

高大接続改革を見据えた総合評価型入試、千葉商科大学が導入結果を検証

千葉商科大学は、2018年度の一般入試および大学入試センター試験利用入試において、学力だけでなく、主体性や協働性等の意欲、活動実績を多面的・総合的に評価する「総合評価型入試」を全学部で実施。今回、その実施結果を報告した。
千葉商科大学の「総合評価型入試」試験は、大学入試改革として文部科学省が提唱する「意欲・能力・適性等の多面的・総合的な評価」を行う入学試験。学力試験の得点に加え、高校が提出する調査書の「評定平均値」「出欠状況」「資格・検定等の取得状況」「クラブ、生徒会、ボランティア活動等の課外活動状況」を総合的に評価して合否判定する。この「総合評価型入試」は、千葉県内の大学において、2020年度からの大学入試(高大接続)改革を見据えた入試として、最も早い導入となった。
2018年度の総合評価型入試の結果は、一般入試で志願者86名、合格者39名、入学者24名で入学率61.5%。センター試験利用で志願者39名、合格者15名、入学者数8名で入学率53.3%だった。一般入試、センター利用とも高い入学率となり、入学志望度の高い受験生がこの制度を利用したと考えられる。
実施にあたった教員からは「普段の生活態度や学習姿勢を多面的に見ることができ、本来力を持っている志願者や、大学や学部の求める人材に合った志願者を選抜できる」(商経学部長・山本恭裕教授)、「自らが考えて行動し、人に寄り添って解決していける、これからの社会に必要な人材を育成する上で有効な試験」(人間社会学部長・朝比奈剛教授)など、総合評価型入試を評価する声があがった。
千葉商科大学では、受験生の多様な能力や経験を評価する「総合評価型入試」を導入していくことで、高校生は自分の得意なことを活かした入試方式でチャレンジできるようになり、大学・学部にとっても、ポリシーに合った意欲的で力を発揮できる受験生を獲得していけると期待している。
また、2019年度入試からは、高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」も大学入学者選抜に利用。高校生の活動成果や学びを学力の3要素(知識・技能/思考力・判断力・表現力/主体性・多様性・協働性)に合わせて評価していく方針だという。

麻布大学とメニコンがイヌの緑内障を共同研究、2018年5月から遺伝子検査を開始

2013年にイヌとヒトに共通した緑内障の発症に関わる遺伝子を特定した麻布大学と株式会社メニコン。今回、両者が共同保有する特許「イヌの緑内障を診断する方法及びキット」の独占実施権を株式会社VEQTAへ許諾し、2018年5月からイヌ緑内障遺伝子検査を開始した。
緑内障は眼球内の圧力(眼圧)が上昇して視覚障害をもたらす疾患で、犬種依存性の高い眼科疾患のひとつとされている。罹患率の高い犬種として、シバイヌ、シーズー、アメリカンコッカースパニエル、ミニチュアダックス、ビーグルなどが知られているが、中でもシバイヌが症例数第1位、シーズーが第2位で、合わせて全犬種の約半数に相当する。眼科疾患で来院するシバイヌの43%は緑内障に罹患しているとの報告もある。
2013年には、麻布大学、横浜市立大学、株式会社メニコンが共同で進めてきた「イヌ緑内障の遺伝要因の解明に関する研究」において、イヌの緑内障感受性候補遺伝子として“SRBD1遺伝子”を同定した。“SRBD1遺伝子”はヒトの正常眼圧緑内障感受性遺伝子として日本緑内障学会から報告されており、この発見によって“SRBD1遺伝子”がイヌとヒトに共通した緑内障の遺伝要因となることが示唆された。
今回、このSRBD1遺伝子の解析に基づく遺伝子検査の方法及びキットを株式会社VEQTAへ委託することになった。2018年5月からVEQTAでは、シバイヌ、シーズーの緑内障リスクを高い精度で予測できる遺伝子検査を開始した。

埼玉工業大学がAI専攻を新設、日本ディープラーニング協会と連携

埼玉工業大学(埼玉県深谷市)は、AI(人工知能)時代に求められる人材を育成するため、2019年4月に工学部情報システム学科にAI専攻を新設する。
このAI専攻は、幅広く社会に浸透するAIの基礎・応用・実践を学べるカリキュラムが特徴で、定員は40名。AIプログラミング言語・演習、人工知能概論、機械学習、深層学習(ディープラーニング)、自動運転概論などの科目を設置する予定である。カリキュラムの整備は日本ディープラーニング協会(東京都港区)と連携し、AIを用いて新しいビジネスやアイデアを創出できる人材の育成を目指す。
今回連携する日本ディープラーニング協会は、ディープラーニングを事業の核とする企業および有識者が中心となって、産業活用促進、公的機関への提言、国際連携など、産業発展のために活動している機関。新設されるAI専攻では、同協会が実施するディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する「G(ジェネラリスト)検定」、ディープラーニングを実装する技能を認定する「E(エンジニア)資格」の取得を支援する予定で、この試みは高等教育機関としては日本初となる。
埼玉工業大学は、すでにAI関連の多彩な研究・開発に積極的に取り組む研究者を擁しており、その専門分野の人材と研究体制を活かして2018年4月にはAI研究センターを設立するなど、全学的にAI関連の取り組みを強化。
また、AIの応用例として自動運転技術に関する先進的研究開発にも積極的に取り組んでいる。2017年10月より国家プロジェクトである「戦略的イノベーション創造プログラム自動走行システム/大規模実証実験」にも私立大学として唯一実証実験に参加。お台場周辺地域、および埼玉県深谷市の公道において、自動運転の実証実験を実施するなど実績を積んでいる。

金城学院大学とTSUTAYAプロデュースの書店が産学連携活動をスタート

金城学院大学(愛知県名古屋市)と株式会社TSUTAYA(東京都渋谷区)が展開する「草叢(くさむら)BOOKS」新守山店は、2018年4月1日、本・映画・音楽などの文化的活動を通して地域社会の発展に貢献するために産学連携活動に関する協定を締結した。両者は、地域振興活動および書店・飲食物販事業のマーケティング調査活動などにおいて協働する。
金城学院大学と草叢BOOKSは、2017年度より国際情報学部国際情報学科の庫元正博教授が担当する授業・ゼミと連携しながら、草叢BOOKSでのマーケティング・広告企画の制作ポスター展開催などを通してともに活動を行ってきた。
これらの活動を契機に、2018年度に地域で行うイベントや商品開発において企画・運営をともに行うこととし、さらに文化的な活動を通じて地域に根ざした活動を深めていくことを目的に協定締結に至った。
産学連携の取り組みの第一弾として2018年4月29日には、庫元教授が顧問として活動する「広告研究会」がダンス・音楽祭を企画。学生の視点を取り入れた書店空間での新たな過ごし方提案として、「草叢FUN SUNDAYS」を草叢BOOKS新守山店にて開催した。
また、翌日4月30日には「4.30 SUPER UPSTAIRS FEAT.TINA TAMASHIRO」と題して、女優として活躍中であり女性誌「ViVi」(講談社)のモデル・玉城ティナさんを招聘。イベントは学生が企画・運営を行い、玉城ティナさんとともにミニファッションショー&トークショーにも出演した。
今後も金城学院大学と草叢BOOKSは、産学連携活動を積極的に行い、発見・出会いのある新たな書店体験や、学生と書店が生み出す文化事業を通じて地域活性化を目指す。

金沢星稜大学が2017年卒業生の就職実績を公表

CDP(難関試験突破プログラム)など手厚い就職支援に定評のある金沢星稜大学(石川県金沢市)が2017年度卒業生の就職実績を公表した。就職希望者数ではなく、卒業生の数に対する就職者の数で表す実質就職率は94.7%を記録(留学生は除く)。全国平均よりも約20パーセントも高い就職実績を達成した。
特に注目したいのが日本銀行への就職実績で、2014年度に短期大学部卒、2015年から2017年度卒まで経済学部卒の学生が毎年採用されており、2018年度卒業見込みの経済学部の学生も採用が決まっている。こうした背景には、女子学生向け難関企業突破プログラム「星稜女子力MOON SHOT講座」をはじめとする複数の就職支援プログラムや、学生の人柄まで考慮した丁寧なマッチングを行う進路支援課の存在があるという。
2018年度も、セブ島での語学力強化を目指す「MOON SHOT abroad !!2018」や、ロシア・ウラジオストクへの船旅を通じて社会人に必要な課題解決能力を鍛える「ほし☆たびウラジオストク2018」に多数の学生の応募があり、8月の実施に向けて学内選考が進んでいる。
7月14日から行われるオープンキャンパスでは、模擬授業やキャンパスツアーなどに加え、就職支援プログラムについても説明が行われる予定。参加希望者は申し込みフォームより事前に申し込みが必要となっている。

日本学生支援機構の給付型奨学金が本格スタート、2018年度は1万8,566人

日本学生支援機構の給付型奨学金に2018年度、全国1万8,566人が採用されたことが分かった。高校などを通じて決定した採用候補者2万1,139人のうち、大学などに進学して所定の手続きを終えた学生全員を採用しており、採用者には月額2~4万円が支給される。
日本学生支援機構によると、採用者の内訳は大学の学部学生が1万2,172人、短期大学生1,691人、高等専門学校生87人、専門課程の専修学校生4,616人。採用者全体のうち、516人が18歳時点で児童養護施設に入所していた人や里親のもとで養育されていた人ら社会的養護の必要な学生に該当した。
給付型奨学金は意欲や能力があるにもかかわらず、経済的な理由で大学などへの進学を断念せざるを得ない学生を支援する制度で、2017年度に創設された。2017年度は先行実施として2,503人が採用され、2018年度から本格的なスタートになる。
1カ月当たりの支給額は、自宅通学生が国公立進学で2万円、私立進学で3万円。自宅外通学生が国公立3万円、私立4万円。このうち、社会的養護の必要な学生は初回支給時に別途24万円が給付される。ただし、進学先が国立で授業料全額免除になれば、自宅通学生0円、自宅外通学生2万円に減額となる。

大学入学共通テスト、11月に思考力問うプレテストを経て年明けに最終結論

大学入試センター試験に代わって2020年度から導入される大学入学共通テストについて、大学入試センターは思考力や表現力を試す問題作成の方向性を公表した。これに基づき、11月にプレテスト(試行調査)を行ったうえで、最終結論を2019年初めに明らかにする。
大学入試センターによると、国語、数学は従来からのマークシート式に加え、記述式を導入する。国語の記述式問題はテキストの内容を把握、解釈することや要旨を端的にまとめ、分かりやすく記述することを求める。小問が3つあり、記述量は20~30字、40~50字、80~120字とする。
数学は数学Ⅰで記述式を3問出題し、問題解決の方略を端的に記述させる内容とする。英語は民間試験を活用して「話す、書く」を測る一方、「読む、聞く」はマークシート式でも見ることにした。地理歴史、公民、物理、化学など他教科は多面的に考察する問題を出す。
プレテストは2017年11月に全国の高校など1,889校の協力を得て第1回を実施したが、2018年11月に第2回を開催し、今回公表した方向性でスムーズに試験ができるかどうか検証を進める。分析結果の公表は2019年1~3月を予定している。
2回目のプレテストはセンター試験を実施するすべての会場を使い、高校2年生以上の計10万人程度が参加する予定。会場運営についてもあらためて検証する。

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