
第7回科学の甲子園全国大会(科学技術振興機構、埼玉県など主催)が、3月16~19日の4日間、さいたま市のソニックシティとさいたま市記念総合体育館で開かれました。全国47都道府県代表の高校生たちが、学校対抗で科学の知識と技能を競い合った結果、神奈川県代表の私立栄光学園高校が悲願の総合優勝を果たしました。総合2位は私立広島学院高校(広島県)、同3位は筑波大学附属駒場高校(東京都)でした。栄光学園は、5月18日から米国・コロラド州で開催される「サイエンス・オリンピアド2018」に参加します
優勝の喜び
「先輩の無念晴らせた 最善を尽くした結果です」
栄光学園は第1回からの連続出場で、第5回大会では総合2位に輝いた強豪校です。メンバーは2年生6人と1年生2人。将来は医学部やロボット工学のエンジニア、コンピューター分野や物理系の研究職など全員が理系を志望しています。優勝できずに悔しがる先輩たちを見て「優勝できるとは思わなかったが、最善を尽くそう」と入念に準備を重ねてきたそうです。その努力が実り、筆記試験で1位、実技競技②でも2位に輝き、総合優勝を果たしました。
キャプテンで2年生の千吉良(ちぎら)洋介さんは「僕らよりすごい先輩たちが毎年優勝できなくて、悔しそうにされていた。優勝できるとは思っていなかったが、みんなで助け合い、競技自体を楽しめたことが勝因かもしれません」と喜んだ。他のメンバーも「わからない問題もあったけど、チームみんなが助けてくれた。優勝できて本当にうれしい」(大島啓吾さん・2年)▽「去年の大会も出場したが、本当に悔しい思いをした。今年は結果をだせてうれしい」(大嶋俊之さん・2年)▽「ベストを尽くした。優勝に貢献できてよかった」(狩野友博さん・2年)▽「メンバーは温かく手助けしてくれ、感謝している」(竹中涼さん・1年)▽「大会直前に別の大会で良い成績(地学オリンピックで金メダル)をとり、みんなを元気づけられたのが良かった」(田中匠さん・2年)▽「気の利いたことを言いたかったが、感激のあまり忘れてしまった」(永野寛さん・1年)▽「優勝できて本当にびっくりしている。みんなすごい」(吉開泰裕さん・2年)と喜びを語っていました。
また、メンバーから「9人目の選手」とされた物理研究部顧問の塚本英雄教諭(50)は「大会に参加を希望した全校の20人から県大会の16人を経て、全国大会では8人に選抜。大会に出場した先輩たちが残したアドバイスも奏功し、競技に活かせました。私も生徒の自主性に任せるようにサポートしましたが、彼らにはこれからも伸び伸びと自分のやりたい研究を進めてほしい」と話していました。
