専門職大学のこれから：不断の入試改革で2030年の先を見据える

古賀 稔邦 先生

iU 情報経営イノベーション専門職大学 副学長

長年、専門学校の校長として教育現場を牽引。2020年のiU開学以来、副学長として大学運営を支える。専門学校の実践教育と大学のアカデミズムの融合を目指し、丁寧な学生募集活動や革新的な入試制度の構築に取り組んでいる。

18歳人口が踊り場を迎え、2030年以降の急減期を見据えた学生募集競争が激化している。既存の大手私大や公立大学も定員増を進める中、2020年に開学したiU情報経営イノベーション専門職大学（以下、iU）は、独自の路線で健闘を見せている。
就職率や起業率で驚異的な実績を上げながらも、「学生募集には課題も多い」と語る古賀副学長に、専門学校の良さを取り入れた独自の戦略と、新たな入試改革についてお話を伺った。

専門学校の「実践」と大学の「理論」を融合する

「開学からの5年間は、文化の違いを相当経験しました」と古賀副学長は振り返る。
社会で即戦力となるための実践教育を重視する専門学校と、学問的な探究を重んじる大学。その両者の文化が混ざり合う中で、iUは独自の文化を形成しつつある。

特に、600時間相当（20単位）にも及ぶ臨地実務実習（長期インターンシップ）や、教員の4割以上を実務家が占める設計は、専門職大学ならではの強みだ。
学生募集においても、専門学校が長年培ってきた「高校への丁寧な訪問」や「教職協働」のスタイルを取り入れている。「一学年定員160名という少人数制だからこそ、生徒一人ひとりの顔が見える丁寧な募集活動が可能です。今年度からは日本電子専門学校と窓口を一本化し、相乗効果を期待しています」と語る。

2期連続で起業率首位、就職率97.1%の実力

第2期生を送り出した今春の実績は、iUの教育モデルの確かさを証明している。
就職率は97.1%と高水準を維持。さらに特筆すべきは「起業」の実績だ。経済産業省の調査によると、起業率は5.59%で2年連続の首位を獲得。起業数も39社へと増加し、起業増加率でも全国4位につけている。

「大学院進学においても、昨年の東京大学、慶應義塾大学に加え、今年は東京理科大学への進学者が出るなど、アカデミックな道へ進む学生も育っています」と、多様な進路実現への手応えを口にする。

一般入試改革：3教科から「得意な2教科」選択へ

18歳人口の減少や、他大学の実践型教育へのシフトにより、差別化は年々難しくなっている。そこでiUでは、受験生のニーズに寄り添った柔軟な入試改革を断行する。

「高校現場からは3教科を課すべきとの声もあるかもしれませんが、一期生の事例から、入学後のモチベーション次第で2教科でも十分に専門的な学びに対応できることが分かってきました」と古賀副学長は自信をのぞかせる。

AIをパートナーに。「生成AI活用型選抜」の新設

さらなる一手として発表されたのが、来年度の総合型選抜（2026年度実施）から新設される「生成AI活用型選抜方式」だ。

「AIを単なるツールではなく『共創のパートナー』と捉える本学の理念に基づいた新しい入試です。辞書の持ち込みが許されるように、これからの時代、AIを活用しながら自ら思考し、価値を創出する力を問う入試があってもいい。AIが大好きな受験生にぜひ期待してほしい」

変化を楽しみ、テクノロジーとビジネスで世界を変える。そんなiUの理念を体現するような、常識にとらわれない入試改革が始まろうとしている。

iU 情報経営イノベーション専門職大学

「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造する。」
テクノロジー × ビジネススキルで、社会を、世界を変える大学

学校法人電子学園 （日本電子専門学校系列校）

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