探究・学問・進路のヒント

 

時代の要請を受け、地域社会貢献活動で “はたらく人”を支援し、 社会に情報発信する

シリーズ 大学が地域の核になる—京都文教大学の挑戦

産業メンタルヘルス研究所

京都文教大学
臨床心理学部 臨床心理学科 教授
産業メンタルヘルス研究所長
中島 恵子

~Profile~
2015年9月、国連総会でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以降、政府、自治体、企業、非営利団体や大学などでは、「家族やその子孫が安心して住むことができる世界をつくるためにどのような取り組みが必要か」が問われるようになった。企業が世の中をよくするための製品・サービスを提供し続けようと思えば、従業員が健康でいきいきと働き続けることが必要であり、そのための人を大切にする経営が求められている。
専門家が学び合う産業心理臨床家養成講座

 このような時代の要請を受け当研究所では、地域における社会貢献活動の一環として、大学の社会連携部フィールドリサーチオフィスと連携し、地域の中小企業へ向けて、「職場のメンタルヘルス・組織改善研修」を提供している。従業員および家族の健康が最優先であるという意思を経営者が持ち、その姿勢をことあるごとに、しかも永続的に発信することが健全な経営につながることを理解してもらうとともに、はたらく人の支援として、足元の大学という組織ではたらく人(教職員)を対象に、健康でいきいき働き続けられるためのワークショップを年9回開催している。講師は本学教員のほか外部講師が担当し、ディスカッションやグループワークを通して、“はたらくこと”を改めて考える機会としてもらっている。参加者にはアンケートに協力してもらい、その結果を分析して研修内容の充実も図っている。

 社会への発信ということでは、2009年から「産業心理臨床家養成講座」を開催してきた。年間20週40コマの講義を2年間受講することで、産業保健活動に関する知識を、基礎から実践的なものまで網羅的、体系的に学べるというもので、本年度で11期生となる。これまでの受講者は、臨床心理士、医師、歯科医、精神保健福祉士、保健師、看護師、作業療法士、産業カウンセラー、大学院修了生、大学院生である。2013年には、講座の修了生らによる京都文教大学産業心理臨床研究会が発足し、年1回研究発表・活動報告会を開催している。

 2012年からは年6回、中小企業診断士・臨床心理士共同研究会も行ってきているが、両者の融合が生み出すさまざまな気づきや斬新なアイディアはとても貴重なものとなっており、京都以外の中小企業研修にも発展している。

地元中小企業対象セミナーを学内で実施
職場のメンタルヘルス・組織改善研修の案内チラシ

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