今年7月に一般社団法人「STEAM Association」を設立しました。この社団では「ほんとうの学び」をコア・コンセプトにした、学び合いの場を作るのがねらいです。
今日、「学ぶ」という行為には目的が無いとダメみたいな感じになってます。例えば、昇進や、資格や単位取得のためであったりと、今、この時代を生きる我々は、「学ぶことが何かを得ること、新たに何かを身につけること」、というようについつい考えがちになってる。しかし、「学び」には、特段の目的はいらないって私は思います。もちろん、自分の成長やスキルUPも大事ではありますが、それらを超えたところで、自分自身の感覚や感情を芯にして学ぶってことが、最近忘れられてるように感じるわけです。
言いたいのは、「学ぶ」っていうのは、本来、おいしい、たのしい、うれしいなどと同じ我々の深い部分に根付く喜びの感覚である、ということ。この人間の純な本性としての学び(=これは目的に先立つので、「ほんとうの学び」と呼ぶことにします)を通じてこそ、人は、自分の在りように気づくのだと思うのです。何かを獲得するための学びを外向きとするなら、ほんとうの学びは内向き。「あぁ、私は、これが好きなんだ」「私が関心もつ事柄って、根っこにこういう共通点があったんだ」「当時、知りたい!って思っていたこと、今はそこまででない。なぜだろう」といったようにです。
今日、金持ちゲームも、学歴ゲームも、大企業就職ゲームもだんだん終わりを迎えているといってよく、DXの進展もあいまって、いっそう「予測不能のなんでもあり社会」を迎え、結局、我々って何がしたかったんだっけ?っていう問いが見直されてると思うんですよね。そういう今こそ、先に述べた「ほんとうの学び(=自分の在りよう)」が必要と思うのです。
そして、この社団では、このほんとうの学びの柱の一つに「STEAM」を置くことにしました。STEAMとは、Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsの頭文字で、現在、「STEAM教育」というのは、世界各国において分野融合型かつクリエイティブな理工系人材を育成する目的の下に推進されています。しかし、この社団法人は、我が国のSTEAMを振興します!といった考えは持っていません。なぜなら、今、STEAM!STEAM!と叫んでいても、時代が変われば、BEYOND-STEAM、とか、Next-STEAMなんて言いだすかもしれませんでしょ?
この社団法人では、あくまで「STEAM」は入り口とし、既存のSTEAM教育をさらにもう一回り広く深く捉え直して社会に問うことをねらいとし、「そもそもSTEAMとは何か。いやむしろ、STEAMなるものを掲げて何を推進しようとしているのか?」といった俯瞰的で根源的な思考を何より重視します。つまり、STEAMというキーワードの登場を、「科学技術と人類の関係についての新たな考え方を得る契機」として受け止め、歴史や哲学など人文・社会科学系の観点を含め、STEAMのAをリベラルアーツのAとして強調し、STEAMという概念を問い直したいんです。
まず最初は、我が国の研究者を対象とした事業を展開していく予定です。読者の方でご関心のある方は一般社団法人STEAM Associationで検索を。